共有名義のマンションを売却する3つの方法!注意点や費用なども解説

「共有名義のマンション、売却できる?」
「共有者とトラブル無くマンションの売却を進めたい」

このように考えていませんか?

このページでは、共有名義のマンションを売却する方法について、プロが分かりやすくご案内しています。

この記事の作成者

専門相談員 大伊 真衣Mai Oi

【資格】宅地建物取引士、秘書検定2級
静岡県出身。お客様とのご縁を大切に、真心を尽くした接客を心がけている。好きな言葉は、為せば成る、為さねばならぬ何事も。特技はクラシックバレエ。

共有名義のマンションとは?自分の持分だけならいつでも売却できる!

共有名義のマンションとは、1戸を複数人が共同で所有しているマンションのことです。

法律上(民法206条)、自分の共有持分だけなら共有者の同意を得ずに売却できます


専門相談員
大伊(おおい)
共有持分とは、共有者の1人が所有している権利の割合のことです。

例えば、夫婦の共有名義で、お金を夫が2/3、妻が1/3出してマンションを購入した場合、共有持分は夫3分の2、妻3分の1ですが、この3分の1だけでも売却することができます

マンションが共有名義になる主なパターンは次の通りです。

  • 夫婦の共有名義でマンションを購入した
  • 親のマンションを兄弟と共有名義で相続した
  • 親子の共有名義でマンションを購入した

なお、共有名義のマンションで、単独でできる行為と他の共有者の同意が必要な行為は次の通りです。

  • 行為と必要な同意
行為の種類 内容 共有者の同意
保存行為 現状を維持する行為
・マンションの修理、修繕
単独でできる(同意は不要)
管理行為 利用する行為
・第三者への貸し出し
過半数の同意が必要
変更行為(軽微な変更) 著しい変化をともなわない行為
・間取りを変えないリフォーム
過半数の同意が必要
変更行為(上記以外の変更) 形または性質に変化を与える行為
・共有物の売却、大規模な改修
全員の同意が必要

大伊
繰り返しとなりますが、自分の持分だけなら共有者の同意を得ずに売却することできます。

ただし売却先選びが重要です。

>>売却先を選ぶポイントを見る

共有名義のマンションを売却する3つの方法

3つの売却方法
  1. 自分の共有持分だけを業者に売却する
  2. 自分の持分を共有者に売却する
  3. 共有者全員で売却する

詳しくご案内します。

【方法①】自分の共有持分だけを売却する

マンションの持分だけを売却するという方法です。

再三ご案内している通り、自分の持分を売却するのに、共有者の同意は必要ありません


大伊
離婚していても、共有名義のままなら、持分だけを売却できます。

ただし、売却金額の相場は実勢価格(じっせいかかく)の30%~50%です。

例えば、夫婦2人で持分2分の1ずつで購入したマンションがあり、実勢価格(市場価格・時価)5,000万円の場合、売却価格は半分の約2,500万円ではなく、約750万円~1,250万円です。

理由は、共有名義には様々なリスクがあるためです。

リスクについて、より詳しくはこちらの「共有持分を売却した後、どうなる?7つのトラブルを解説」でご案内しています。


大伊
それから、住宅ローンの残債がある場合は、売却できないです。

住宅ローンについては、いろいろと理解することがあります。

より詳しくは「共有持分の買取で売主側に発生する費用を解説」をご覧ください。

【方法②】自分の共有持分を他の共有者に売却する

他の他の共有者に売却する方法です。

例えば、離婚後にマンションに住み続ける元配偶者に、自分の持分を売却するということです。

また、親子共有名義のマンションで、子が将来的に住み続けるために親の持分を買い取ることもあります。


大伊

実現できれば実勢価格に近い金額で売却できる可能性があります。

ですが、個人間の売買ではトラブルが起きやすいので、専門家のサポートを受けることをご検討ください。

【方法③】共有者全員でマンションを売却する

共有者全員で同意をして売却する方法です。

売却後は持分割合に応じて売却金額を分配します。

この場合、実勢価格に近い金額で売却できる可能性があります。

例えば、5,000万円でマンションを売却した場合、あなたの共有持分が2分の1であれば、約2,500万円を受け取ることができます。

経済的なメリットが最も大きい方法です。


大伊
全員の署名と押印があれば、共有名義のまま売却できます。

単独名義にする必要はありません。

売却するなら知っておきたい3つの注意点

3つの注意点
  1. 贈与税がかかる場合がある
  2. 売却完了まで費用がかかり続ける
  3. 売却に難航することがある

それぞれご案内します。

【注意点①】贈与税がかかる場合がある

売却益を持分に応じて分けないと、贈与税がかかります。

贈与税が課されるとは?
    夫婦2人の共有名義のマンションがあり、その持分は夫が6分の5、妻が6分の1。

    このマンションを売却し、売却代金を50%(2分の1)ずつに分けると、妻は3分の1(6分の2)も多く受け取っていることになる。

    例えば、マンションを売った金額が4,800万円で、持分に応じて夫(6分の5)は4,000万円、妻は800万円(6分の1)に分けるなら贈与税はかからない。

    50%の2,400万円ずつに分けると、妻が持分以上に受け取った1,600万円(2,400万-800万)に対して贈与税がかかる。

対策は次の通りです。

  • 売却時に分配金の割合を話し合っておく
  • 自分の持分だけを売却する

ただし、離婚の際に財産分与で処分する場合は、持分割合に関わらず2分の1ずつで分けます。

先ほどのケースの場合なら、4,800万円での50%の2,400万円ずつで分けるということです。

財産分与の場合は、もちろん贈与税はかかりません。

【注意点②】売却完了まで費用がかかり続ける

次の費用は共有者全員に、持分に応じた支払い義務があります。

  • 固定資産税
  • 修繕積立金
  • 管理費
  • 駐車場代
  • 専用庭代

マンションに住んでいなくても、共有名義人になっているなら、持分に応じた負担が必要です。

「費用を負担したくない」という場合は、共有名義のマンションに対応している買取業者に売却することをご検討ください。


大伊
一般の不動産会社では共有名義の売却を断られてしまいます。

共有名義のマンションの買取に対応している専門の業者をお選びください

>>売却先を選ぶポイントを見る

【注意点③】売却に難航することがある

マンション特有の管理上の問題で、買い手がなかなか見つからない場合があります。

マンション特有の問題とは、例えば次のようなことです。

  • 管理組合の要求が厳しい
  • 管理費が高額
  • 管理規約が特殊
  • 修繕積立金が不足している

管理組合の要求が厳しいとは、例えば、第三者に貸し出す際は管理組合の面談が必要といったことです。


大伊
この場合も、共有名義のマンションの買取に対応している専門の業者をお選びください。

>>売却先を選ぶポイントを見る

共有名義のマンション売却手順、書類、費用を解説

ここでは、「自分の持分だけを売却する場合」の手続きをご案内します。


大伊
マンション全体(一室)を売却する場合は、共有名義全員の同意と、署名・押印が必要です。

共有名義のマンションを売却する時の6つの手順

6つの売却手順
  1. 無料査定の依頼
  2. 査定額の提示(数日~1週間程度)
  3. 書類の準備(数日~2週間程度)
  4. 契約内容の把握
  5. 決済(数週間~1ヶ月程度)
  6. 所有権移転登記

一般的な不動産会社は、共有名義のマンションの買取を断ることが多いです。

売主と買主、共有者間でトラブルになることがあるためです。


大伊
トラブルについては、「共有持分を売却した後、どうなる?7つのトラブルを解説」でご案内していますので、ご覧になってみてください。

トラブルを避けるために、共有名義のマンションに対応可能な仲介業者か買取業者を探して、無料査定をご依頼ください。

>>売却先を選ぶポイントを見る

共有名義のマンション売却に必要な書類

一般的に必要な書類は次の通りです。

不動産の売却に必要な書類
  1. 登記識別情報(権利証)
  2. 登記事項証明書(登記簿謄本)
  3. 住民票
  4. 固定資産税評価証明書
  5. 身分証明書
  6. 運転免許
  7. マイナンバーカード
  8. 印鑑登録証明書

法務局で取得できる登記事項証明書には、共有者の名義と持分の割合が記載されています。

自分の持分だけを売却するなら、自分の書類だけでOKです。

ただし、全体(マンションの一室)を売却する場合は、共有者全員の書類が必要です。

マンションを売却する場合は、さらに次の書類をご準備ください。

書類 内容
付帯設備表 マンションの設備、不具合や維持管理に関する情報が記載されている書類
物件状況確認書(告知書) 物件や周辺の状況などの問題(雨漏り、騒音、においなど)の有無が記載されている書類
マンション管理規約 マンション個別のルール(月々の管理費や修繕積立金、駐車場の規定、共用スペースの取り扱いなど)が記載されている書類

内容は各マンションで異なりますので、依頼する業者と話をしてください。

参照)国土交通省「物件状況等報告書」、「マンション管理規約

共有名義のマンション売却で発生する費用

必要な費用
  1. 印紙税(200円~6万円 ※売却額で異なる)
  2. 仲介手数料
  3. 譲渡所得税
  4. 抵当権抹消登記

必ず発生するのが印紙税で、売却額によって200円~6万円になります。

仲介手数料は仲介業者に依頼して売却する場合に発生します。

ただし、仲介手数料がかかったとしても、直接買取業者へ売却するより仲介での売却の方が高値で売れます


大伊
つまり、高く売るなら仲介業者ということです。

早く現金化する場合は買取業者にご依頼ください。

共有名義のマンションの売却先を選ぶ7つのポイント

次の7つのポイントを確認して売却先を選んでください。

ポイント 概要
①専門分野 マンションを含む共有不動産を専門としている業者に依頼する
②買取の方法 早期売却なら買取業者、高額売却なら仲介業者へ依頼
③買取スピード 早期売却できるだけの知識と経験がある
④実績や事例 マンションの売却に対応している業者に依頼する
⑤口コミ・評判 対応の良い業者を選ぶことで、悪徳・悪質業者を未然に防ぐことができる
⑥サポート体制 トラブル対応のために弁護士と提携しているかを確認する
⑦実際の接客 悪徳・悪質業者でないか最終確認する
担当者によって結果が変わることがある

先ほどもご案内しましたが、共有名義の不動産はリスクがあり、一般の不動産業者では査定を断られることがあります。

マンションの場合、特有の確認事項があるので、共有名義のマンションの買取実績がある業者をお選びください

それから、日本は超高齢化社会が進み、相続による共有不動産が増えており、対応する不動産会社も増えています。

それに伴い悪質・悪徳な業者も増えています。


大伊
ですので、「弁護士との提携」や「宅建の資格所有者の有無」、「査定額の根拠の有無」など、必ずご確認ください

売却に対応している5社

マンション売却に対応している5社
  1. 一般社団法人共有持分支援協会
  2. 中央プロパティ
  3. 株式会社蒼悠(港コンサルティング)
  4. 株式会社クランピーリアルエステート
  5. 株式会社AlbaLink

詳しくご案内します。

一般社団法人共有持分支援協会

共有名義・共有持分を専門に取り扱う社団法人です。

共有名義のマンションの買取実績があります

独自の仲介システムでの高額買取りにも、早期買取にも対応しています。

最短2日で買取しており、希望があれば最短翌日に手付金を渡しています。

弁護士と提携しており、社団法人の立場で、親身に丁寧に対応しています。

所在地は東京都千代田区丸の内です。

買取方法 仲介、買取
売却日数 2日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 手付金(最短翌日)・持分の一部買取、持分のリースバック

中央プロパティ

共有持分専門の仲介業者です。

最短5日で売却できます。

弁護士が無料で面談に同席するサービスを提供しています。

センチュリー21加盟店です。

創業は2011年で、所在地は東京都千代田区丸の内です。

買取方法 仲介
売却日数 5日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 AI×鑑定士のダブル査定

株式会社蒼悠(そうゆう)

共有持分専門の買取業者です。

創業は2014年で、所在地は大阪府大阪市港区です。

買取方法 買取
売却日数 希望のスケジュールで相談
専門家の在籍 専門スタッフ
対応エリア 全国
その他 無し

株式会社クランピーリアルエステート

共有持分を含む訳あり物件専門の買取業者です。

最短2日で売却できます。

弁護士などの士業と提携してサポートする体制があります。

創業は2018年で、所在地は東京都中央区築地です。

買取方法 買取
売却日数 2日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 現況のまま買取に対応

株式会社AlbaLink

共有持分を含む訳あり物件専門の買取業者です。

数日以内に売却できます。

累計100件超の共有持分の取り扱い実績があります。

創業は2011年で、所在地は東京都江東区木場です。

買取方法 買取
売却日数 数日
専門家の在籍 弁護士・司法書士
対応エリア 全国
その他 東京プロマーケット市場に上場

まとめ

共有名義のマンションでも、自分の持分だけならすぐに売却できます。

専門の業者に複数査定依頼をしてください。