共有持分の売却相場はいくら?算出方法や査定のポイントも解説!

共有持分の売却相場

共有名義で所有している不動産を手放したいと考えたとき、「共有持分のみを売る」という方法があるのをご存知でしょうか。共有者同士で意見がまとまらなくても、自分の持ち分だけを売却できる可能性があります。本記事では、共有持分を売る際の相場や計算方法、そして売却時に役立つポイントを詳しく解説します。

この記事の作成者

大伊 真衣Mai Oi

【資格】宅地建物取引士、秘書検定2級
静岡県出身。お客様とのご縁を大切に、真心を尽くした接客を心がけている。好きな言葉は、為せば成る、為さねばならぬ何事も。特技はクラシックバレエ。

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共有持分の売却相場を調べる方法

共有持分の売却相場は、不動産全体の市場価格を基準に考えられます。少し複雑に思われるかもしれませんが、基本を知れば理解しやすくなるでしょう。

ここでは、共有持分の売却相場がどのように算出されるのか、代表的な計算手順を整理して解説します。

物件全体の市場価格を調べる

共有持分の売却相場を把握する第一歩は、物件全体の価値を査定することです。通常は不動産会社や専門家に査定を依頼し、市場価格を算出してもらいます。売却を検討する段階で信頼できそうな不動産会社を複数ピックアップし、査定依頼をするのがおすすめです。

また、不動産の所有関係や持分割合を確認するために、登記事項証明書を取得しておくことも大切です。これによって、各人がどの程度の持分を持っているかが明確になります。

共有持分割合を把握する

不動産を複数人で購入した場合、支払った金額によって持分割合が決定します。たとえば夫婦で購入したときに、妻が頭金として1,000万円、夫がローンで4,000万円を負担したとすると、妻が5分の1、夫が5分の4の持分を持つケースが一般的です。

このように費用負担割合に応じて、誰がどれだけの持分を所有しているかを正確に知ることが、不動産全体の売却相場と自分の持分相場を把握するうえでは不可欠です。

相場の算出方法

物件全体の市況価格をつかんだら、次のステップは共有持分の割合を掛け合わせることです。例えば3,000万円が物件全体の価格、という査定結果が出た時、仮にあなたが5分の1(20%)を所有しているとすると、持分に対する理論上の価格は600万円となります。

ただし、この金額はあくまで机上の計算です。実際には不動産の流動性や、ほかの共有者や買い手との交渉にも左右されます。そのため、売却を始める段階でいくつかの価格戦略を立てておくのが賢明です。

共有持分を売却する主な方法

共有持分の売却方法には複数の選択肢があります。自分がどのように売却を進めたいかによって最適な方法が異なるため、それぞれの特徴を知っておきましょう。

ここでは、大きく分けて4つの方法についてご説明します。

共有持分を第三者へ直接売却

共有持分だけを売却するなら、他の共有者の同意は必ずしも必要ではありません。金銭的な対価を得たい場合に最も一般的な方法です。ただし、購入希望者を探すのに時間や手間がかかる可能性があります。

売買経験が豊富な不動産会社や、共有持分専門の買取業者などを活用すると、スムーズに買い手を見つけられる場合もあります。単独所有物件と比較すると、流通が少ないことも踏まえておきましょう。

他の共有者への売却や買取依頼

他の共有者がその物件を重要視している場合、自分の持分を買い取ってもらうのは有力な選択肢です。共有者としては持分を集めることで自由度が高まり、物件を単独で活用しやすくなります。このメリットがあるため、比較的高めの価格で買い取ってもらえる可能性があります。

贈与して所有権を移す

共有持分を「贈与」する場合は、金銭の授受がありません。大きな対価は発生しませんが、迅速に共有者から外れることができるメリットがあります。ただし、贈与を受けた人にタックスプランを考慮してもらう必要があります。

贈与税の制度を十分理解してから実行しないと、予想外の税負担が生じてしまうこともあるため注意してください。特に受贈者には、後日、税務署から贈与税の申告を問われる可能性があります。

共有不動産を分割する

物理的に不動産を区切れる場合には、それぞれが単独所有できるよう分割する方法も考えられます。ただし、土地の大きさや建物の構造上、実際に分割が難しいケースも多いです。分割登記や測量などの手続きに時間とコストを要する点にも注意が必要です。

不動産が一区画として完成度の高い形で分割できれば、単独所有になるため自由度は高まります。その反面、費用や手間、そして法的な条件をみたさなければ実現できないため、現実的には簡単ではありません。

共有持分の売却相場を高めるためのポイント

共有持分は、単独所有物件より取り扱いが難しく、買い手が限られる場合があります。それでも売却相場を少しでも高くするために、いくつか意識できるポイントがあります。

ここでは、売却条件を向上させる実践的な方法を見ていきましょう。

他の共有者に買い取ってもらう

先述したとおり、他の共有者からすれば単独所有に近づけるメリットは非常に大きいものです。譲り受けよりも実利があるので、第三者に売るよりも好条件での交渉が進む可能性があります。

この場合、あらかじめ相場観を共有者とすり合わせたり、信頼できる第三者の査定を示したりすると話が進みやすくなります。お互いに納得できる落としどころを探すことが大切です。

物件全体を一括売却する

共有者全員がまとまって、物件全体を売却してしまうのもひとつの方法です。単独所有物件と同じ市場で売り出せるため、需要が幅広くなるだけでなく、高値で売却できる可能性が高まります。

ただし、この方法は共有者全員の合意を得ることが前提条件になります。「共有者のなかに絶対に売りたくない人がいる」などの事情がある場合は、交渉が難航するかもしれません。場合によっては、共有者全員のメリットを十分に説得する材料が必要になるでしょう。

買い手にメリットを分かりやすく伝える

もし第三者に売却する場合は、共有持分を取得するメリットをしっかり打ち出すことが大切です。例えば、将来的に再開発が計画されているエリアや、他の共有者が前向きに売却に応じる可能性がある場合など、買い手が魅力を感じられる情報を提供しましょう。

実際に購入したあと、共有者の一部または全員が協力的であれば、不動産の単独所有や一括売却が見込めることを伝えるのも手です。共有持分に特有のリスクと照らし合わせながら、メリット面を丁寧にアピールすることで価格交渉を優位に進めやすくなります。

共有持分売却の流れと手順

いざ共有持分を売りに出すとき、どのような手順を踏むのが一般的なのでしょうか。大まかな流れを把握しておくと、余計な混乱を防ぎ、スムーズに取引を進められます。

以下では、具体的なステップを順に説明します。

不動産会社への相談

まずは、共有持分の取扱い実績がある不動産会社に相談します。複数社に声をかけ、査定価格や対応の丁寧さなどを比較するのがおすすめです。

通常の不動産仲介と異なる点が多いため、必要書類や初期費用、広告戦略などがどのように進んでいくか、具体的に確認すると良いでしょう。

売却価格の決定

査定結果をもとに、希望する売却価格を決定します。他の共有者に売るのか、一般の買い手を探すのかによっても、設定金額は変わることがあります。

もし他の共有者が買い取りの意思を示している場合は、先に直接交渉するのも有効です。お互いの意向をすり合わせて、トラブルのない形で手放しましょう。

媒介契約の締結

不動産会社に仲介を依頼する際は、媒介契約を結ぶ必要があります。売却活動を本格化させるためのスタートラインであり、その後は物件情報の公開や広告が実施されます。

契約形態には専属・専任・一般などがあります。どのタイプにするかで売却活動の範囲や報告義務が変わるため、自分の状況にあった選択肢を検討しましょう。

購入希望者との交渉

共有持分の売買は、単独所有よりもリスクや制限が多く、買い手が慎重になりがちです。相場や条件提示を丁寧に行うことで、交渉を円滑に進められます。

価格だけでなく、引き渡し時期や契約特約、リスク説明なども重要なポイントです。共有者がまだ居住しているケースや、将来的な不動産活用に制限が残るケースなど、しっかりと話し合って納得を得ることが欠かせません。

売買契約・決済と持分移転登記

条件がまとまったら売買契約を締結し、手付金のやり取りを行います。その後、残金の受領と合わせて所有権移転登記(共有持分移転登記)を司法書士に依頼し、売却は完了となります。

契約書の作成時には、共有持分特有の記載事項や注意点が盛り込まれることがあります。何か疑問があれば専門家に確認しながら手続きを進めましょう。

共有持分売却による税金計算のポイント

共有持分を売却すれば、通常、譲渡所得に課税されます。算出方法や税率の基礎を押さえておくことで、後日になって思わぬ負担に悩まされることを防げます。

譲渡所得は以下の式で求められます。

譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除(該当する場合)

取得費には不動産の購入時に支払った代金や仲介手数料、改良費などが含まれます。売却時にかかった仲介手数料、印紙税、測量費、解体費などは譲渡費用として計上可能です。特別控除としては、マイホーム売却時の3,000万円の特別控除が代表例です。

また、所有期間によって税率が変化します。売却年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得に区分され、5年を超えるなら長期譲渡所得として税率が優遇されます。正確な税率や申告手続きについては、税理士などへ相談すると安心です。

共有持分を少しでも高く売却するために

相場や税金、そして実際の売却方法について概要を押さえたら、最後に押さえておきたいのが「どのように売却を進めるのが効率的か」という視点です。複数の不動産会社に査定を依頼し、共有者とコミュニケーションを重ねることが大切です。

特に共有者同士の意向をすり合わせるプロセスは避けて通れません。自分だけでなく、相手の利益も考えながら、どの売却方法が最もメリットを生むかを考慮してください。

  • 共有者に優先的に相談してみる
  • 不動産会社を複数比較する
  • 物件全体での売却も視野に入れる
  • 税金対策を確実に行う

ここまで解説したポイントをしっかり把握しておけば、トラブルなくスムーズな売却を実現できるはずです。共有持分の売却は単純な手続きではありませんが、適切な準備と理解があれば円滑に進められることが多いです。

まとめ

共有持分の売却相場を算出するためには、不動産全体の価値を査定し、所有割合を参考にする必要があります。ほかの共有者との交渉や一括売却など選択肢はさまざまであり、状況に応じて方法を検討することが大切です。この記事を参考に共有持分の売却スキームを把握し、まずは信頼できる不動産会社に相談してみましょう。