共有持分査定の相場はいくら?高値で売却する7つのポイントを解説!

「共有持分の査定の相場はいくら?」
「共有持分の査定額を増やしたいけど、どんなことが影響するの?」

このような悩みを抱えていませんか?

この記事では、共有持分の査定の相場や査定に影響する7つのポイントをプロが分かりやすくご案内します。

この記事の作成者

大伊 真衣Mai Oi

【資格】宅地建物取引士、秘書検定2級
静岡県出身。お客様とのご縁を大切に、真心を尽くした接客を心がけている。好きな言葉は、為せば成る、為さねばならぬ何事も。特技はクラシックバレエ。

共有持分の査定相場は売却先によって異なる

理由は売却先が共有持分にどのような価値を見出すかによって、提示される価格が変動するためです。

共有持分の評価額は以下の計算式で算出します。

不動産全体の評価額 × 持分割合 = 共有持分の評価額

  • 売却先と相場
売却先 相場
共有者 市場価格×持分割合
買取業者 市場価格×持分割合×30~50%
第3者 市場価格×持分割合×50~70%

第3者の売却先とは仲介業者を経由して、購入する投資家などのことです。

例えば、6,000万円の不動産を2分の1で共有している場合だと6,000万円 × 1/2 = 3,000万円が評価額になります。

共有持分を査定する4つの方法

4つの方法
  1. 机上査定
  2. AI査定
  3. 訪問査定
  4. 不動産鑑定士査定

それぞれご案内します。

【方法①】机上査定

机上査定とは、物件情報に基づき、簡易的に査定額を算出する方法のことです。

メリットは1時間から数日で査定額が分かることです。

デメリットは物件を実際に見ないため、あくまで概算なことです。

【方法②】AI査定

AI査定とは、AIに大量の不動産データを分析させて査定額を算出する方法のことです。

メリットは個人情報を入力せずに利用できるため、匿名性が高いことです。

デメリットは物件の状態や特性を考慮しないため、実際の市場価格と大きな差が生じる可能性があることです。

【方法③】訪問査定

訪問査定とは、不動産会社の担当者が実際に現地を訪問し、物件の状態を確認して査定額を算出する方法のことです。

メリットは物件状況(劣化・改修歴・日当たり等)が反映されるため、査定価格の精度が高いことです。

デメリットは日程調整が必要なため、査定額が出るまでに1週間程度かかることです。

【方法④】不動産鑑定士査定

不動産鑑定士査定とは、国家資格を持つ不動産鑑定士が、専門的な知識と経験に基づいて物件を評価し価格を算出する方法のことです。

メリットは法的な責任が伴うため、信頼性が高いことです。

デメリットは鑑定評価額や不動産の種類、調査範囲に応じて費用が発生することです。

  • 不動産鑑定士査定の費用相場
種類 評価額1,000万円以下 評価額5,000万円以下 評価額1億円以下
土地のみ 約20万円 約20〜30万円 約30〜40万円
土地+建物 約25万円 約25〜50万円 約35〜70万円
マンション 約30万円 約40〜60万円 約60〜80万円

共有持分の査定に影響する7つのポイント

7つのポイント
  1. 不動産の立地条件
  2. 持分割合
  3. 他の共有者の意向
  4. 築年数や構造
  5. 住宅ローンの残債務の有無
  6. 建物と土地の持分を所有しているか
  7. 隣地との境界標の有無

詳しくご案内します。

【ポイント①】不動産の立地条件

理由は駅からの距離や周辺の生活環境、地価などが物件全体の価値を大きく左右するからです。

立地条件が良い具体例は次の通りです。

  • 立地条件がいい物件
  • 駅から徒歩5分に物件がある
  • 周辺に商業施設や病院、学校などがある
  • 周辺に快適な環境がある

さらに再開発計画がある地域では、将来性の利便性が評価されるため査定価格が上がることがあります。

【ポイント②】持分の割合

持分割合が大きいほど、その共有持分が持つ権利や支配力が大きくなり、市場価値が高まります。

例えば、3,000万円の不動産の持分割合を例にした具体例は次の通りです。

  • 持分割合の具体例
持分割合 売却価格(予想)
2分の1 1,500万円
3分の1 1,000万円
4分の1 750万円
5分の1 600万円

【ポイント③】他の共有者の意向

理由は他の共有者が売却や利用に積極的かどうかによって、物件の活用できる幅が大きく異なるからです。

積極的な意向とは次のようなことです。

  • 活用についての建設的な話合いができる
  • 売却益を上げたいと考えている

非協力的だったり、他責的だったりすると、評価が下がります。

【ポイント④】築年数や構造

理由は建物の経年劣化や耐震性などが価値評価に直結するからです。

具体的に築年数や構造の違いによる評価は次のように異なります。

  • 築年数・構造による評価額の違いの例
要素 築年数 構造 評価
新築 〜5年 鉄筋コンクリート 高評価
築浅 6〜15年 木造 中評価
築古 16〜30年 鉄筋コンクリート 低評価

国土交通省の「建物の残価率」などの資料を参考にすると、構造ごとの減価率がわかります。

参考)国土交通省「住宅に関する価格評価手法

【ポイント⑤】住宅ローンの残債務の有無

売却益でローンを完済できるかどうかは、売却の可否や価格に直結します。

残債なし
  1. 金融機関の手続きが不要
  2. 自由に売却や譲渡できる
残債あり
  1. 金融機関との交渉が必要
  2. 売却価格から残債が差し引かれる

残債務が売却価格を上回る「オーバーローン」の状態だと、売却ができません。

【ポイント⑥】建物と土地の持分を所有しているか

理由は建物と土地の両方の持分を所有している方が、買い手にとって利便性が高く価値があるからです。

例えば、土地の持分だけを所有している場合、その土地の上に建つ建物の所有権は他の共有者にあるため、利用方法が制限されます。

【ポイント⑦】隣地との境界標の有無

境界が不明確だと隣人とのトラブルのリスクがあり、評価がマイナスになります。

境界が不明確で起こるトラブルの具体例は次の通りです。

  • 境界線の認識の食い違い
  • 塀や樹木などの越境

共有持分の査定を業者に依頼する5つのメリット

5つのメリット
  1. スピーディに現金化できる
  2. 手間をかけずに売却できる
  3. 仲介手数料不要で買い取ってもらえる
  4. 売れにくい物でも売却できる
  5. 精神的負担を軽減できる

詳しくご案内します。

【メリット①】スピーディーに現金化できる

専門業者は共有持分の買取の知識や経験が豊富で、独自のネットワークや買取ノウハウを持っているためです。

専門業者なら査定から売買契約まで数週間で完了します。

【メリット②】手間をかけずに売却できる

理由は物件の調査や価格交渉、契約手続きなどを業者が一括で対応してくれるからです。

例えば、専門業者に依頼すれば以下の作業や手続きの負担が軽減されます。

  • 査定額を算出してくれる
  • 契約書を作成してくれる
  • 登記手続きをしてくれる

【メリット③】仲介手数料不要で買い取ってもらえる

共有持分の買取業者が買主として直接あなたの持分を買い取るからです。

通常、不動産仲介では売買価格の3%+6万円(税別)の仲介手数料が必要です。

  • 売却価格と仲介手数料
売価価格 仲介手数料
1,000万円 36万円
1,500万円 51万円
2,000万円 66万円
2,500万円 81万円
3,000万円 96万円

ただし、高額売却をするなら、仲介業者にご依頼ください。

買取業者よりも高額で売却するケースがほとんどです。

【メリット④】売れにくい物件でも売却できる

業者は再販や活用ノウハウを持っているため、他の買主に敬遠される物件でも対応してくれます。

敬遠される物件の例
  1. 築古で修繕が必要な物件
  2. 立地条件が悪い物件
  3. 共有者との関係性が複雑な物件

ただし、中には買取対象にならず、断られることがあります。

【メリット⑤】精神的負担を軽減できる

理由は共有者との交渉や法的手続きなど、煩雑でストレスのかかるやり取りを業者が代行してくれるからです。

例えば、専門業者に依頼すれば次の精神的負担が軽減されます。

軽減できる負担
  1. 共有持分を巡る家族間のトラブル
  2. 長年放置していた共有持分の処理

共有持分の査定を業者に依頼する3つのデメリット

3つのデメリット
  1. 売却価格が低い
  2. 悪質な業者がいる
  3. 買取対象にならない物件がある

詳しくご案内します。

【デメリット①】売却価格が低い

業者は転売や収益化を前提としているため、リスクを加味して低めの価格を提示するからです。

買取業者と仲介業者の費用比較は次の通りです。

  • 買取業者と仲介業者の費用比較
比較項目 買取業者 仲介業者
売却価格 市場価格の3〜5割 市場価格の5〜7割
仲介手数料 なし あり(最大3%+6万円)
登記費用 不要 不要
測量・調査費用 不要 必要な場合あり(10〜30万円)

測定・調査費用とは隣地との境界標が明確ではない場合に、境界を確定させるために行われる測量にかかる費用のことです。

仲介の方が高額になることが多いです。

  • 買取は早期現金化したい人におすすめ
  • 仲介は高額売却したい人におすすめ

【デメリット②】悪質な業者がいる

共有持分の取引は一般の不動産取引よりも情報が少なく、悪質業者が入り込みやすい分野です。

例えば、適正価格が800万円の共有持分を「緊急性を煽って」300万円で買取契約を結ばせたり、契約後に減額を要求したりする業者がいます。

【デメリット③】買取対象にならない物件もある

理由は業者にとってリスクが高すぎる物件や法的な制約で活用が困難な物件があるからです。

買取対象にならない可能性がある物件の具体例は次の通りです。

  • 老朽化が激しい物件
  • 共有持分の割合が少ない物件
  • 共有者の中に行方不明者がいる物件
  • 市街化調整区域内の物件
  • 著しく狭小な土地の共有持分

共有持分の査定依頼先を選ぶ5つのポイント

5つのポイント
  1. 実績の多さ
  2. 弁護士などの士業との連携している
  3. 説明に根拠がある
  4. 複数業者へ査定依頼する
  5. 口コミや評判を確認する

詳しくご案内します。

【ポイント①】実績の多さ

共有持分は一般的な不動産売買とは異なり、権利関係が複雑で専門的な知識や経験が求められるからです。

多くの買取実績を持つ業者なら様々なケースに対応してきた経験をもとに、より正確で現実的な査定価格を提示してもらえます。

【ポイント②】弁護士などの士業との連携している

理由は共有持分は法律の問題が絡むケースが多く、専門知識が必要だからです。

例えば、他の共有者との意見の相違や相続問題など法的解決が必要な事態が発生した場合でも、弁護士と連携していれば安心です。

【ポイント③】説明に根拠がある

査定額や買取可否について明確な理由が提示されることで、不透明な取引や後々のトラブルを避けられるからです。

具体的に次のような業者は信頼性が高いです。

  • 査定額の算出根拠を具体的に説明してくれる
  • 計算根拠や参考資料を添付してくれる
  • 市場データや過去の取引事例などを提示してくれる

【ポイント④】複数業者へ査定依頼する

業者によって査定額や提案内容が異なるため、査定額の比較ができるからです。

仮にA社では800万円だった査定額が、B社では1,200万円の査定額が算出されるため、3社程度に査定を依頼してください。

【ポイント⑤】口コミや評判を確認する

実際に利用した人の体験談を通じて、業者の対応や信頼性を把握できます。

具体的には次のような口コミです。

  • 売却までが速かった
  • 兄弟間の争いが減った
  • 持分の一部だけ売却できた

参考)共有持分支援協会公式サイト

共有持分の査定に対応している6社

査定に対応している6社
  1. 共有持分支援協会
  2. 株式会社クランピーリアルエステート
  3. センチュリー21中央プロパティー
  4. 株式会社AlbaLink
  5. ワケガイ
  6. ベリーベスト不動産

詳しくご案内します。

共有持分支援協会

共有持分支援協会は共有持分問題の解決に特化した専門組織として、幅広いサポートを提供しています。

共有持分の査定から売却だけでなく、弁護士と提携してサポート体制を構築しています。

社団法人の立場で、利用者の利益を最優先に考えています。

  • ポイント
買取方法 仲介・買取
高値売却
早期売却 最短5日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
その他 手付金有、一部売却、リースバック対応

株式会社クランピーリアルエステート

クランピーリアルエステートは共有持分や訳あり不動産の買取を専門とする不動産会社です。

強みは、他の業者が断るような共有持分やトラブルを抱えた物件でも積極的に買取をしていることです。

  • ポイント
買取方法 買取
高値売却
早期売却 最短48時間
専門家の在籍 弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 建築不可物件・訳あり物件の買取に特化

センチュリー21中央プロパティー

中央プロパティーは共有持分専門の買取をしている不動産会社です。

AI査定と不動産鑑定士との連携によるダブル査定を採用しています。

創業は●年です。

  • ポイント
買取方法 入札
高値売却
早期売却 最短5日
専門家の在籍 不動産鑑定士・弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 共有持分や借地権に関するトラブル解決の実績が豊富

株式会社AlbaLink(アルバリンク)

  • 詳細
買取方法 買取
高値売却
早期売却 最短3日
専門家の在籍 不動産鑑定士・弁護士・司法書士・税理士
対応エリア 全国
その他 無料査定を提供・年間5,000件以上の相談実績

アルバリンクは、共有持分を含む「訳あり物件」の買取に特化した不動産会社です。

他の買取業者では安い査定価格しか提示できない物件でも、比較的高い査定をしています。

ワケガイ

ワケガイは株式会社ネクスウィルが運営する「訳あり物件」専門の買取サービスです。

共有持分や事故物件、ゴミ屋敷など、一般の不動産市場では売却が難しいとされる物件の買取を積極的に行っています。

  • ポイント
買取方法 買取
高値売却
早期売却 最短2日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・宅地建物取引士
対応エリア 全国
その他 訳あり不動産買取価格・スタッフ対応などで満足度No.1

ベリーベスト不動産

ベリーベスト不動産はベリーベスト法律事務所グループが運営する不動産会社です。

複雑な権利関係やトラブルを抱えた共有持分に法律的な解決策を提案しています。

  • ポイント
買取方法 買取
高値売却
早期売却 最短2日
専門家の在籍 弁護士・司法書士・宅地建物取引士
対応エリア 全国
その他 訳あり不動産買取価格・スタッフ対応などで満足度No.1