「共有持分の買取業者とのトラブルが心配」
「買取業者とのトラブルを回避できる?」
このように悩んでいませんか?
この記事では、共有持分を買取業者に売却すると起こりうる5つのトラブルと回避法、それから後悔しない共有持分の売却方法を、プロが分かりやすくご案内します。
目次
共有持分を買取業者に売却すると起こりうる8つのトラブル
- しつこい営業を受ける
- 安く買い叩かれる
- 後から価格を下げられる
- 買取業者と他の共有者間でもめる
- 売主と他の共有者の関係が悪くなる
こうしたトラブルは、悪徳・悪質な業者に査定依頼をしたり、契約をしたりすることで起こります。
詳しくご案内します。
【トラブル①】しつこい営業を受ける
しつこい営業とは、具体的には次のようなことです。
- 査定後に何度も何度も電話をしてくる
- 早朝や深夜を問わず頻繁に電話をしてくる
- 突然自宅に訪問してくる
- 訪問してきたらなかなか帰らない
このような営業をしてくるのは、間違いなく、悪質・悪徳な業者です。
会社からのノルマがすごくて、何としてでも契約したいと考えています。
あまりにもしつこい場合は、消費者ホットラインにご相談ください。
【トラブル②】安く買い叩かれる
共有持分の買取金額の相場は、一般的な不動産の30%~50%OFFの価格です。
例えば、不動産全体の価値が5,000万円で、あなたの持分が2部の1の場合、2500万円ではなく、750万~1,250万円です。
安くなる理由は、他の共有者のとのやり取りの手間や関係性などを加味しているからです。
悪質・悪徳な業者は、これよりもさらに安く買い叩こうとしてきます。
共有持分の相場を考えると750万~1,250万円が妥当な金額なのに、300万円を提示してくるような業者がいます。
取引に不慣れな人は騙されやすいです。
【トラブル③】後から価格を下げられる
悪徳・悪質な業者の場合、契約を進めていくうちに、で当初の査定額よりも価格を下げてくることがあります。
何とか価格を下げて安く買い取ろうとするからです。
不動産取引が不慣れなことにつけ込み、様々な理由をつけてきます。
例えば次のような理由です。
- 現地調査の結果、修繕が必要と分かった
- 市場状況が変化した
契約書に「引き渡しまでに新たな事実が判明した場合、再協議するなどと記載がある場合」は、契約後でも価格を下げる交渉をしてきます。
【トラブル④】買取業者と他の共有者間でもめる
共有名義・持分の不動産を売却する場合、不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要です。
ですが、共有者の1人が共有持分だけを売却することは、民法206条で規定されています。
共有者のうちの1人が共有持分を売却した後は、買取業者などが新たな共有者となります。
この買取業者の目的は、物件全体を買取ってリフォームをして売却し、利益を最大にすることです。
そのため、他の共有者に対して売却の交渉を積極的に行います。
この際、次のようなことで、他の共有者とのトラブルになることがあります。
- 業者が敷地内に出入りする
- 賃料を請求される
- 共有物分割請求訴訟される
それぞれご案内します。
業者が敷地内に出入りする
悪質・悪徳な買取業者の中には、物件の調査や測量を行うといった名目で、共有不動産の敷地内に、頻繁に出入りする業者がいます。
買取業者は、「新しい共有者として法律上の権利を得ていると、民法206条、249条で規定されている」と、権利を主張します。
買取業者から賃料を請求される
悪質・悪徳な買取業者の中には、他の共有者が占有している持分に見合う賃料を請求してくる業者がいます。
例えば、家賃相場が月12万円の物件で買取業者が3分の1の持分を取得した場合、「持分相当の4万円を毎月支払ってください」と請求してくるといったことです。
買取業者は、「新たな共有者として、不動産を利用する権利があると、民法249条で規定されている」と、権利を主張します。
買取業者から共有物分割請求訴訟される
共有物分割請求訴訟とは、複数人で所有しているの共有状態の不動産を、裁判所を通じて分割するための訴訟のことです。
買取業者は共有状態解除の話がまとまらないとき、訴訟できると民法第258で規定されています。
裁判の結果は以下の3つの判決パターンに分けられます。
- 現物分割
- 代償分割
- 換価分割
詳しくはこちらの「共有物分割請求訴訟とはの3つの判決パターン」をご確認ください。
キチンとした業者も、目的は不動産の売買で利益を得ることですので、買取の交渉を行います。
ただし、悪質・悪徳な業者の場合は、そのやり方がグレーなやり方であることが多いです。
【トラブル⑤】売主と他の共有者の関係が悪くなる
理由は3つあります。
- 他の共有者が悪質・悪徳な業者に嫌がらせを受けた
- 他の共有者への相談なく売却を進めた
- 他の共有者が計画していた不動産活用ができなくなった
買取業者と他の共有者との間で起こりうるトラブルについては、ご案内した通りです。
事前に共有者への相談なく売却を進めると、共有者は不信感を抱きます。
例えば、今まで親族間で共有していた不動産に突然見ず知らずの業者が加わると、他の共有者は不安を感じ、「なぜ黙って売ったのか」と追及されることがあります。
特に、共有者が「今後、不動産を賃貸に出す」「不動産を大手の不動産に売却する」といった計画を考えていた場合、それができなくなることで、関係は一気に悪化します。
共有持分の買取業者とのトラブルを回避する7つのコツ
- 買取業者が弁護士と提携しているか確認する
- 共有持分の専門業者に依頼する
- 買取業者の買取事例や実績を確認する
- 担当者の対応が親切で丁寧かチェックする
- 少なくとも3社に査定を依頼する
- 売却前に共有者に連絡する
- 買取業者を介さずに共有名義を解消する
それぞれご案内します。
【コツ①】買取業者が弁護士と提携しているか確認する
弁護士と提携している業者は、他の共有者との交渉を、法律に則った方法で進めます。
買取前に、問題のあるような営業はしません。
買取後に、他の共有者と揉め事を起こす可能性は低いです。
日本は超高齢社会化しており、相続による共有名義・持分の不動産が増えており、共有持分に強い弁護士も出てきています。
ホームページで次の事をご確認ください。
- 弁護士と提携している
- 提携している弁護士が共有もち部に強い
【コツ②】共有持分の専門業者に依頼する
共有名義・持分の不動産は、一般的な不動産と比べて、権利関係が複雑です。
大手や地場の不動産会社には、共有不動産についての知見が無く、トラブルへの対応どころか査定すらできないところがほとんどです。
共有持分の買取に対応できる業者は2種類あります。
- 共有持分を専門にしている業者
- 訳あり不動産の買取業者で共有持分にも対応している業者
より経験値の高い共有持分の専門業者をお探しください。
【コツ③】買取業者の買取事例や実績を確認する
共有不動産といっても、様々なパターンがあります。
買取事例や実績を確認する理由は、その業者の対応力の高さが分かるからです。
ホームページで、次の事をご確認ください。
- 過去の取引件数
- 取引事例
- お客様の声
具体的な内容、数字をチェックしてください。
【コツ④】担当者の対応をチェックする
担当者が優れている場合、次のようなメリットがあります。
- やり取りで発生するストレスが少ない
- 高い価格で売却できる
対応が親切・丁寧で、スピードが速く、タイミングが良い担当者なら、売却価格に差が出ることはあります。
チェックするポイントは次の通りです。
- 質問に対して分かりやすい説明がある
- レスポンスが速く、タイミングが良い
- デメリットも含めた正直な情報提供がある
【コツ⑤】少なくとも3社に査定を依頼する
理由は、比較することで、納得の行く結果が得られるからです。
-
A社、B社、C社の3社に査定を依頼した。
A社が300万円でB社が580万円、C社が600万円だった。
一番高額だったC社と連絡を取ったが、質問への回答に数日かかるし、説明が良く分からなかった。
仲介手数料が約30万円かかることが分かった。
そこでB社の担当者に連絡をしたところ、すぐに折り返しの連絡を入れてくれた。
不明点の質問をすると分かりやすく回答してくれた。
さらに、今回、仲介手数料を無料にしてくれたため、B社に依頼した。
【コツ⑥】売却前に共有者に連絡する
理由は、事前連絡しておけば、共有者間のトラブルを未然に防ぐことができる可能性が高くなるからです。
連絡内容は次の通りです。
- 売却理由
- 売却予定時期
- 買取業者の情報
他の共有者が売却などを計画している場合や元々も関係が悪い場合は反対されます。
できる範囲で相手の話をよく聞き、持分を売却するかどうか、ご判断ください。
【コツ⑦】買取業者を介さずに共有名義を解消する
持分の買取に対応している業者に依頼せずに、共有状態を解消する方法があります。
- 共有者に持分を売却する
- 共有者の持分を買取る
- 不動産全体を売却する
- 共有持分を放棄する
キチンと話合いができる共有者同士なら、こうしたやり取りでトラブルが起きる可能性は低いです。
メリットも多いです。
- 人間関係を維持したまま共有状態を解消できる
- 価格や条件について柔軟に話し合える
もし、他の共有者に自分の持分を買い取ってもらえる場合は、市場価格で売却できます。
詳しくは「共有持分の8つの解消方法」をご確認ください。
共有持分の放棄とは、自分の持分を相手に渡すことです。
贈与性が絡んできますので、詳しくはこちらの「共有持分の放棄とは?」をご一読ください
共有持分の買取業者vs仲介業者!トラブルになりづらいのは?
買取業者とは、自社で共有持分を買い取る業者のことです。
早ければ最短2日で買取り、数日後に現金化しているところがあります。
買取業者は2種類います。
- 訳あり不動産の買取業者
- 持分専門の買取業者
スピーディで高く買い取ってくれる持分専門の業者をお選びください。
ただ、次のような悪質・悪徳な業者がまれにいます。
- 査定額が相場より著しく安い
- 買取後の他の共有者とのトラブルを起こす
仲介業者とは、売主と買主の間に入って、適切な買主を見つける業者のことです。
メリットは次の通りです。
- 高値で売却できる可能性が高い
- 悪質・悪徳業者が比較的少ない
早く現金化したいなら買取業者、高く売りたいなら仲介業者に査定を依頼していください。
これでトラブル・後悔ナシ!共有持分の買取業者を選ぶ6つのポイント
- 買取業者を選ぶポイント
チェック項目 | 内容 |
---|---|
専門分野 | 「訳あり物件」ではなく共有持分を専門にしている会社を選ぶ |
買取方法 |
|
買取速度 | 買取の速度、現金化までの速度を確認する |
買取実績 | どのような実績があるのか、何件の実績があるのかを確認する |
口コミ・評判 | 利用者のコメントで評判が分かり、悪質業者を防ぐことができる |
士業との提携 |
弁護士と提携している ※共有名義・持分の不動産に強い弁護士がベスト |
接客態度 | 親切・丁寧に対応してくれるかどうか ※ストレスフリーで、高額売却できる可能性がある |
トラブル無く、後悔しないで共有持分を売却したいとお考えなら、このポイントに沿って買取業者をお選びください。
専門分野が共有持分で、共有不動産に強い弁護士と提携している業者なら、トラブルのリスクはかなり低いです。
その上で、高く売る場合は仲介、早く売る場合は買取業者をお選びください。
共有持分の買取とトラブル対応に強い5社
- 共有持分支援協会
- 大正ハウジング
- 中央プロパティ
- ベリーベスト不動産
- ライズ
それぞれご案内します。
共有持分支援協会
共有持分問題の解決に特化した専門機関です。
独自システムによる仲介で高額売却を実現しています。
早期の現金化をお考えの方には、最短2日で買取をしています。
その際、最短翌日に手付金を渡しています。
弁護士や司法書士などの専門家と連携したサポート体制を整えています。
利用料は無料です。
大正ハウジング
共有持分の買取に強い買取業者です。
全国対応です。
センチュリー21に加盟店です。
中央プロパティ
共有持分に特化した仲介業者です。
独自のシステム「ポスティングシステム」で、高額売却を実現しています。
弁護士と提携しています。
センチュリー21の加盟店です。
ベリーベスト不動産
共有持分が専門の買取業者です。
大手法律事務所のグループ会社です。
ライズ
共有持分に強い買取業者です。
最短数日で現金化がです。
対応エリアは首都圏です。
共有持分の買取業者とのトラブルについてのまとめ
共有持分を買取業者に売却すると起こりうるトラブルをご案内しました。
悪質・悪徳な業者を避けるために、買取業者を選ぶ6つのポイントに沿って業者をお選びください。