共有名義とローンは夫のみの場合、どちらがよい?それぞれのメリットとデメリットを解説!

マイホームの購入を考える際、夫婦のうち誰の名義でローンを組むべきかは悩みどころです。特に、夫婦で共有する「共有名義」と、夫だけがローンを組む「単独名義」には、それぞれ税制が異なり、リスクもさまざまです。

本記事では、住宅ローンの名義形態が家計や将来のライフプランに与える影響を整理し、共有名義と単独名義のメリット・デメリットを丁寧に解説します。ぜひ最後まで読み進め、どちらが自分たちに合っているのかを検討する際の参考にしてください。

この記事の作成者

大伊 真衣Mai Oi

【資格】宅地建物取引士、秘書検定2級
静岡県出身。お客様とのご縁を大切に、真心を尽くした接客を心がけている。好きな言葉は、為せば成る、為さねばならぬ何事も。特技はクラシックバレエ。

共有名義と単独名義の違い

ここでは「共有名義」と「単独名義」の大まかな違いを説明します。住宅購入後の登記やローン返済をイメージしながら、どちらが自分たちの状況に合うか考えてみてください。

共有名義とは?

共有名義とは、夫婦など複数人が同じ不動産を所有する形態のことです。共有者それぞれが持分割合を持ち、登記簿には各人の名義と持分が記載されます。

例えば、頭金を妻が出し、残りのローンを夫婦の双方で連帯債務として支払う場合には、頭金の金額やローン返済の割合に応じて妻と夫の持分を設定します。持分割合を正しく設定しないと贈与税対象となる場合があるため、注意が必要です。

共有名義ではすべての所有者が意思決定に関与するため、不動産処分や賃貸などの際は全員の同意が必須となります。そのため、後々売却したり活用したりする際には煩雑になります。

単独名義とは?

単独名義とは、一人だけが不動産の所有権をもつ形態です。夫婦のうち、どちらかがローンを契約し、その人だけが登記簿に所有者として記載されます。

例えば、安定した収入をもつ夫だけが住宅ローンを借りる場合や、収入合算の必要がない場合に選ばれることが多いです。妊娠や出産で収入が変動する可能性が高い家庭では、単独名義が検討候補になることもあります。

単独名義には、

持分を一人がすべて保有するため意思決定の自由度が高いが、借り入れ可能額や税制上の優遇幅が限定されやすいという特徴があります。

ここまでの説明を表にまとめると下記のようになります。

比較項目 共有名義 単独名義
所有形態 複数人が同じ不動産を所有 一人が不動産を所有
登記簿の記載 各所有者の名義と持分が記載 一人の所有者のみ記載
意思決定 全員の同意が必要で煩雑 意思決定の自由度が高い
ローン・資金面 複数人の収入を合算可能 借入可能額が限定的
税制面 持分設定により贈与税対象の可能性あり 税制上の優遇幅が限定的

共有名義でローンを組む場合

ここでは、夫婦が共有名義でローンを組むときの代表的なパターンや、そのメリット・デメリットを詳しく解説します。ローン契約の形態や、返済負担に見合った持分割合をどう設定するかが重要です。

ローン契約のパターン

共有名義でのローン契約には、主に次の3パターンがあります。連帯債務は夫婦が等しく返済責任を負う仕組みで、ペアローンはそれぞれが別個に契約を結ぶ形態です。また、連帯保証では片方が主債務者となり、もう片方が保証人となります。

  • 連帯債務: 夫婦双方が主債務者になる。
  • ペアローン: 2つのローン契約を別々に組み、完済義務を分担。
  • 連帯保証: いずれか一方が債務不履行時、他方が全額返済責任を負う。

いずれの形態でも、名義および返済負担に応じて持分割合を決める必要があります。特にペアローンの場合は、各自で住宅ローン控除が受けられるメリットがありますが、手数料が2重になるなどの点にも注意が必要です。

共有名義のメリット

共有名義にする最大のメリットは、夫婦の収入合算により借り入れ可能額が大きくなる点です。これはマイホームのグレードを上げる際や、希望地域で条件いい物件を取得する際には大変有利となります。

また、多くの場合、それぞれが住宅ローン控除を受けられる可能性があり、所得税や住民税などの負担軽減効果も期待できます。加えて、不動産を複数人で所有しているぶん、持分が明確化しやすい点も将来的な相続対策として評価されています。

共有名義では収入を合算できるだけでなく、夫婦双方が「マイホームを共同で持っている」という安心感を得られるのが大きなポイントです。

共有名義のデメリット

一方で、共有名義には注意点も多く存在します。まず、離婚時に物件の扱いが複雑になるリスクがあります。双方の持分をどのように扱うか、ローンをどちらが払い続けるのかを調整するのは容易ではありません。

また、夫婦の収入合算が前提となるため、例えば妻が出産や育児のために休業し収入が途絶えた場合、想定していた返済計画が厳しくなる恐れがあります。そして、もし共有者が亡くなった際には、さらに共有関係が複雑になるでしょう。

共有名義のもう一つの注意点は、誰かが返済義務を果たせないと、もう一方に負担がかかるだけでなく贈与扱いになる可能性もあることです。持分割合と実際の返済負担は、常に一致させる必要があります。

夫のみでローンを組む場合

ここでは夫だけがローン名義人となる単独名義パターンを取り上げます。共働きの夫婦でも、あえて夫一人がローンを組む選択にはどのような利点や注意点があるのかをチェックしましょう。

単独名義でローンを組むパターン

単独名義でローンを組むときには、従来から一般的な形である「夫の名義のみで住宅を購入する」スタイルが代表的です。これは夫が正社員で高い年収を得ており、十分にローン審査を突破できる場合に選ばれることが多いです。

また、妻が頭金の一部を負担する場合であっても、持分を持たずに単独名義を維持することもあります。ただし、その際は「贈与税」が発生するリスクがあるなど、税制面での考慮が必要です。

単独名義のときに頭金だけ妻が負担した場合、持分を設定しないと贈与扱いになりかねない点は慎重に検討しましょう。後から予期せぬ税負担が生じる可能性があります。

単独名義のメリット

夫のみの名義では、返済責任や義務が夫に一本化されるので、夫婦間の金銭トラブルは少なくなると考えられます。特に、妻の収入が不安定な場合、世帯収入全体が変動しても住宅ローンに直接影響を及ぼしにくいのが利点です。

また、意思決定もスムーズに行いやすく、不動産の売買や管理について夫が主導する形で進められます。ローン審査においても、夫が高い信用を持つ場合は、審査結果がわかりやすいのが特徴です。

単独名義なら夫婦のどちらかが専業主婦・主夫になる可能性がある家庭でも、返済計画の変動リスクを小さく抑えられます。計画立案がシンプルなので、将来の出産などを見据える方に向いている側面もあるでしょう。

単独名義のデメリット

夫のみの名義では、妻と収入合算しない分、借り入れ可能額が少なくなる点に注意が必要です。希望条件に合ったマイホームを見つけにくいケースや、ローンを長期化することで返済負担が増す可能性があります。

また、住宅ローン控除や相続税対策を夫だけで利用する形になるため、夫婦ともに高い収入がある場合には税制メリットを充分に享受しにくいという面もあります。さらに、夫が亡くなった場合や、離婚時に財産分与の問題が生じた際は、一方に不利・有利が偏りがちです。

単独名義は管理や責任を明確化できる反面、節税効果が限定的になりやすいというデメリットを理解しましょう。そのため、夫婦どちらかの収入が高くても多額の借り入れを希望しないケースや、将来の資産価値よりも安定性を重視するケースが多いです。

比較のポイント・考慮すべき点

共有名義と単独名義のメリット・デメリットを知ったら、最後に検討する際の主要なポイントをまとめておくと選びやすくなります。ここでは、収入面と将来のライフプラン、さらには相続や贈与税などの税金に関する要素を確認しましょう。

夫婦の収入状況と安定性

夫婦双方が安定した収入を得ている場合、共有名義で収入を合算して高額のローンを組む選択は合理的です。より広い物件選びが可能になり、住宅ローン控除を二人で受ける恩恵も期待できます。

ただし、どちらかが働けなくなるリスクを見込み、返済が困難になる事態を想定して計画を立てることが大切です。特に、共働きでも今後出産・育児を予定している場合は、収入減少に備えて無理のない借り入れ額を検討する必要があります。

経済的に安定性が低い夫婦は、単独名義にしたほうが返済責任を一本化でき、リスク管理がしやすいケースもあります

相続や贈与税への意識

共有名義だと、相続税を抑える効果が期待できることがあります。夫婦間でそれぞれの持分を持っているため、一方が亡くなった際に相続税評価額が分散される可能性もあるのです。

また、頭金をどちらかが出した場合には、その持分をきちんと登記に反映させないと贈与税が発生するおそれがあります。贈与税・相続税に関する規定は複雑なので、税理士や専門家への相談も検討しましょう。

相続や贈与のトラブルを防ぐためには、名義をどう設定するかばかりでなく、将来の財産分与や遺言なども見据えて準備を進める必要があります

離婚や死亡リスクへの備え

離婚に至った場合、共有名義でローンが残っていると処理が大変複雑になります。共有者同士がローン返済を続けるのか、一方が持分を買い取るのかなど、慎重な協議が求められるでしょう。

単独名義の場合でも、財産分与を巡るトラブルが起こった場合や、夫が死亡によってローンが残った場合などに備えることは必須です。保険や遺言を含めた多方面の対策を検討しておくと安心でしょう。

家の名義とローン名義が異なると契約違反となる可能性があるため、離婚時や死亡時に「誰が返済を続けるか」を事前に決めておくことがとても重要です。

まとめ

共有名義と単独名義には、それぞれ借り入れ可能額や税制優遇、そしてリスクに関して大きな違いがあります。夫婦の収入状況やライフプラン、将来の相続・贈与の可能性を踏まえながら、名義の選択を検討することが大切です。

不明点や不安がある場合は、早めにファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家へ相談してみてください。住宅ローンを正しく組み、自分たちに合うマイホーム生活をスタートさせましょう。