「不動産の売却益の配分が兄弟間でまとまらず、あてにしていた事業資金が入らず困っていました」――神奈川県横浜市にお住まいのN様(50代・男性)からのご相談でした。
そのN様が、兄弟からの同意を得ることなく、共有持分を1,000万円で売却できた事例をご紹介します。
- 相続した戸建てが4人兄弟の共有名義に、配分で意見が対立
- 他の共有者の同意がなくても、自分の持分だけは売却できる
- 相談の結果、1,000万円で売却し、事業をスタートできた
目次
相続で兄弟4人の共有名義になったが、配分で意見が分かれた
- ご相談者・N様の状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件種別 | 戸建て(神奈川県横浜市) |
| 築年数 | 築50年以上 |
| 土地面積 | 約180㎡ |
| 建物面積 | 約100㎡ |
| 構造 | 木造 |
| 最寄駅からの距離 | 徒歩8分 |
| 共有者 | 4名(本人・兄弟3名) |
| ご本人の持分 | 4分の1 |
| 共有になった経緯 | 親の相続(2020年〈令和2年〉9月〜) |
| 共有者との関係 | 4人兄弟、配分をめぐり意見が対立 |
N様は4人兄弟の三男。
2020年(令和2年)にお母様の相続があり、両親が住んでいた戸建て兄弟4人の共有名義で所有することになりました。
持分は法定相続通り4分の1ずつでした。
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遺言がない場合に民法の定める相続分に従い、共有持分を相続人全員で引き継ぐ制度のこと。
例えば、配偶者と子供2人なら相続分は配偶者1/2、子供1/4ずつ、子供4人だけなら相続分は1/4ずつとなる
参照)民法900条
お母様が亡くなった後、家は空き家になっていました。
相続の直後は兄弟間で連絡をやり取りしていましたが、不動産をどうするか話し合う段階になってから、連絡が滞りました。
というのも、一度は全員で売却して均等に配分する話が出たのですが、これまで家の管理を担ってきた四男様が「同じ配分では納得できない!」と反対し、売却の話をすると揉めるようになってしまったからです。
N様の思い
長男に相談しましたが、四男の取り分が多くなることには反対されてしまい、話が前に進みませんでした。
相談員
康原
担当相談員の所感
共有している不動産全体を売却する場合は全員の合意が必要で、一人でも反対する方がいると止まってしまいます。
N様は、ご自身の資金計画が進められず、とても困っていらっしゃいました。
「共有者に知られずに、自分の持分だけを売却したい」と考えた
事業のために資金が必要だったN様は、何とかしたいといろいろと調べました。
そこで、「共有持分は共有者に連絡を一切しなくても、ご自身の持分だけであれば自由に売却できる」ということが分かりました。
調べる中で、専門の買取業者がいることは知っていましたが、他社には相談せず直接当協会に問い合わせました。
どうしても他の共有者に知られたくなかったからです。
「高く売ります!」という買取業者に安易に相談した結果、兄弟に伝わってしまうことを心配していました。
社団法人の立場で相談に乗ってくれる協会なら、その可能性が低いと判断されました。
N様の思い
兄弟も大事ですが、そのお金が無いと新規事業を進められず、私の家族にも大きな影響が出るため、売らなければいけない状況でした。
買取業者に連絡して万が一何かがあったら困ると思い、協会に連絡をしました。
協会の担当の方はとても親身になってくれましたし、慎重に進めてくれそうでしたので、「ここに任せよう」と思いました。
相談員
康原
担当相談員の所感
これは民法206条で規定された権利です。
N様の場合、「共有者に知られたくない」というご希望でしたが、共有者間の関係性の状況でも、売却金額が変わってくるため、N様が把握している共有者間の状況についてはお伺いました。
民法206条では、「所有者は法令の範囲内で、自由にその所有物を使用、収益、処分できる」と規定されています。
この規定に基づき、共有持分の権利者は、他の共有者の同意を得なくても、自分の持分だけを売却できます。
例え、共有者が反対をしていて、不動産全体の売却の話し合いがまとまらない場合でも、この権利は保障されています。
享有不動産の初回相談から4週間で契約、1ヶ月半で決済完了
初回相談から契約まで4週間、決済までは1ヶ月半でした。
当協会がN様から相談を受けた後の流れは次の通りです。
- 初回相談で状況をヒアリング
- 面談で物件の詳細を確認
- 査定を実施し、結果を報告
- 提携先の不動産会社Y社へ打診
- 条件を確認し、買取金額を提示
N様は、当協会の提携先の不動産会社が直接買い取る形での売却を選択されました。
「できるだけ早く売りたい」ということでしたので、横浜エリアの築50年以上の戸建てに特に強い会社をご案内しました。
このような会社は、早い買い取ってくれるだけでなく、相応の査定額を出してきます。
N様には、必要書類の準備と、司法書士との面談をしていただきました。
ご準備いただいた書類は次の通りです。
- 本人確認書類
- 登記識別情報
- 印鑑証明書
- 実印など
他の共有者である兄弟様への事前の相談や連絡、同意などは不要で、買取の手続きが進みました。
N様の思い
必要な書類の準備と、司法書士との面談だけで済んだので、思っていたより時間は取られませんでした。
おかげで、事業で必要な資金を工面でき、仕事を受注できました。
相談して本当によかったと思いました。
相談員
康原
担当相談員の所感
N様は事業資金という明確な目的があり、書類の準備も早く進めていただけました。
4分の1の持分の売却額は1,000万円、その算定根拠
N様の持分の売却金額は、概算で1,000万円でした。
近隣で成約した似たような条件の戸建ての取引金額に、N様が所有する持分割合をかけあわせて金額を算定しました。
似たような条件というのは、次のようなことです。
- 築年数…築50年以上
- 土地面積…約180㎡
- 駅からの距離…徒歩8分
算定の計算式は次の通りです。
- 共有持分の評価額 = 不動産の市場価格 × 持分割合 × 評価割合(30%〜50%)
ご兄弟全員で売却していた場合の金額と比べると差はありますが、仕事の決済の期日を優先されました。
N様の思い
ですが、そのためには全員の同意が必要で、この状況ではまとまらず平行線のままだと思います。
事業に必要な資金は期日までに手に入れることができましたので、この決定がベターだったと考えています。
相談員
康原
担当相談員の所感
ですが、共有者間の話し合いがまとまらない状況では、ご自身の持分だけを売却する方法が現実的な解決策になります。
不動産会社のY社は、横浜市の共有持分の取り扱いに慣れており、スムーズに進みました。
共有持分の売却後の変化について
- 共有持分のまま持ち続けた場合と売却の比較
| 比較項目 | 共有持分のまま | 売却 |
|---|---|---|
| 手元のお金 | 0円 | 約1,000万円 |
| 兄弟との話し合い | 停滞したまま | 影響を受けずに済む |
| 共有名義 | 継続 | ご自身の持分は解消 |
| 兄弟への連絡・同意 | 必要になる可能性がある | 不要 |
N様は自身の持分を売却することで得た現金を、計画していた新規事業の資金として活用することで、無事に事業を始めることができました。
仕事は順調に進んでいるようで、少し余裕ができたため、ご家族とのご旅行も計画されているそうです。
N様の思い
この決断に間違いは無かったと思います。
康原さんのアドバイス通り、将来共有者が何かを言ってきても、「もう関係ない」ときっぱりと伝えます。
本当にありがとうございました。
相談員
康原
担当相談員の所感
共有者の同意が得られない場合でも、ご自身の持分だけであれば売却できることを、知っていただきたいと考えています。
まとめ
相続した不動産は、共有者間で配分の意見がまとまらないと、話し合いはずっと平行線になりがちです。
感情的に対立して、修復できないほどの関係になってしまうこともあります。
できれば早めに当協会に相談することをご検討ください。
相続・離婚などのご事情やトラブルの内容、仲介・買取・リースバックなどのご希望、エリアに応じて、担当者を選定し、解決までサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。